歯科医院で「本当に使えるマニュアル」に書いてある 要点5つ
歯科医院でマニュアルが作られるようになったのは、ここ10年くらいで、以前はそのようなものはありませんでした。
最近では歯科医院の多くが、独自のマニュアルを作成しているようです。
が、しかし、このマニュアルが曲者で、あれば良いという訳ではないのです。
今日は「使えるマニュアル」に書いてある要点5つをお伝えしていきます。
5つの要点は
1.目標と目的
2.最終的な完成形のイメージ
3.手順
4.作業に必要なもの(準備物)
5.判断基準
です。
1.目標と目的
以外とごちゃまぜになりがちなのが、「目標と目的」です。
仕事の目的は、最終的に「自分のお客さんにどうなってもらいたいか」を考えます。
この時のお客さんというのは、患者さんであったり、他のスタッフだったりします。
自分以外の自分の仕事を提供する相手はクライアントと考えるとスムーズです。
目標は短期的にどれくらいの仕事レベルに到達していれば良いかになります。
例 プロービングについて
目的 患者さんに自分の口腔内の状態を正しく理解してもらう
目標 (中期)半年以内に、検査資料を使用し、患者に正しい知識を与える
(短期)1点法の歯周検査1を10分以内で正しく正確に行う
次の有名な寓話「3人のレンガ積み」で考えてみよう。
中世のとある町の建築現場で3人の男がレンガを積んでいた。
そこを通りかかった人が、男たちに「何をしているのか?」とたずねた。
1人めの男は「レンガを積んでいる」と答えた。
2人めの男は「食うために働いているのさ」と言った。
3番めの男は明るく顔を上げてこう答えた。「後世に残る町の大聖堂を造っているんだ!」と。
一人めの男は、目的を持っていない。
HRpro 「働くこと」基礎概念講座1-1 ~「目標」と「目的」の違い
二人めの男は、生活費を稼ぐのが目的である。
三番めの男は、歴史の一部に自分が関わり、世の役に立つことが目的となっている。
2.最終的な完成形のイメージ
これがお互いに共有できていないと、双方に悲しい結末を招きます。
先生「こんな仕事をしてほしかった訳では・・・。」
スタッフ「一生懸命やったのになんでダメなの?」
こんなやり取り、身に覚えがありませんか?
これは仕事を依頼する時、された時に双方が、最終的な完成形のイメージを共有していないから起こってしまう悲しい事故です。
仕事を頼む側も、具体的に図に書いたり、以前の資料があるならそれを提示する必要があります。
依頼される側も、どんなものを、どのように、誰の為に、何の目的で作るのかを聞く必要があります。
毎回、この確認作業をしなくても済むように、いつも行う作業の要点をまとめてあるのがマニュアルです。
例 器具消毒の完成形は…
器具にセメントなどの付着物が全くなく、滅菌パックもしっかり閉じている状態
3.手順
その作業に必要な手順を一つずつ書いていきます。
この時にその作業をやったことがない人が見ても、イメージできるくらい丁寧に書いてあると新人教育の時に便利です。
まずは大まかな手順を書きだし、そこから誰でもできるくらいに分解します。
例 器具の滅菌消毒
おおまかな流れ 洗浄→乾燥→パッキング→オートクレーブで滅菌
分解 器具の付着物を取る→超音波洗浄→水で洗浄→水気を拭く→パッキング→121度で20分オートクレーブで滅菌
4.作業に必要なもの
手順を細かく記入したら、今度はその手順1つ1つに必要なものを出していきます。
器具の滅菌消毒の洗浄の時に必要な道具は何でしょうか?
血液が付着していたら、たんぱく質溶解洗浄剤を使う医院もあるかもしれません。
器具を洗う為に、スポンジや、金ブラシが必要だと思われます。
このように作業の1工程ごとに必要な道具を出していきます。
5.判断基準
仕事のセクションの要所ごとに「これでよし」という基準を設けます。
一連の流れの中で「ここを確認して作業を進めること」というように基準を設けることで、最終的な結果の失敗を未然に防ぐことができます。
この時に基準を設ける部分は、間違えやすい部分です。
例 器具の消毒滅菌 手順と(カッコ内を判断基準とします)
器具の付着物を取る(器具にセメントや血液がついていないか)→超音波洗浄機に5分かける(超音波の中の水は十分か確認する)
→水で洗浄(この時にもう一度器具に汚れがないか確認する)→水気を拭く→それぞれの大きさに応じてパックする(プラスチック製のものはガス滅菌する)
まとめ
今日は「使えるマニュアル」に書いてある要点5つをお伝えしました。
5つの要点は
1.目標と目的
2.最終的な完成形のイメージ
3.手順
4.作業に必要なもの(準備物)
5.判断基準
です。
これが書いてあれば、色々と作業の手間も省けると思います。
参考にしてみてください。