48時間以内にハミガキをすれば大丈夫?
患者さんに「いつハミガキをしたらいいですか?」とよく聞かれませんか?
1日2回でも大丈夫ですか?
これに自信を持って答えることができるでしょうか?
私もこの論文を読むまでは、しっかり説明できませんでした。
今回は歯肉に関してハミガキは何時間以内に行うべきか?について
- 1.12時間ごと?48時間ごと?36時間?
- 結果
- 患者さんに伝えるには?
- カリエスは?
この4点についてお伝えしていきます。
12時間ごと?48時間ごと?36時間?
この論文は無料でPDFみれます こちらから
この論文では 1日に1回(12時間)2日に一回(48時間)そのご、3.4日後に一回ハミガキする4つのグループに分けて、決められて時間毎にハミガキをします。
ハミガキは染め出しを行って、プラークが完全に除去できたかどうかを確認しています。
グループごとにどこの面にプラークがついいるかが記録されています。
ハミガキの頻度とプラークの形成量、歯肉の健康状態との関係を調べています。
結果
Toothbrushing Frequency as It Relates to Plaque Development and Gingival Health*
12時間ごとにハミガキするグループと、48時間ごとにハミガキするグループはあまり差がなく、どちらも歯肉の健康状態を維持できるとなりました。
これは興味深いと思いませんか?
歯肉の状態を維持するには48時間以内に「完璧なハミガキ」をすれば良いということです。
(この研究はカリエスについては触れていません)
ちなみに、72時間、96時間のグループにはあまり差がなかったというのも面白いです。
プラークの蓄積量もあまり変わらないということは、これ以上は形成できないということなんでしょうね(笑)
患者さんに伝えるには?
でも、患者さんに「48時間以内に完璧に磨いてください」と言っても完璧なハミガキを患者さんに求めるのは難しいです。
そこで、「一日一回は完璧に(丁寧に)磨く」。
それが無理なら「二日に一回は完璧に磨く」
というような言い方だと患者さんは聞いてくれます。
患者さんは「ハミガキ」するために生きている訳ではないので、毎日3回磨いてくださいというのはとてもハードルが高いのです。
そして、この研究では毎回歯科衛生士による「染め出し」が行われ「完璧なハミガキ」ができた前提なので、患者さんの「ハミガキのテクニック」を向上させなければいけません。
現在では、研究が進み、「100%ブラッシング」が絶対ではないとはいえ、質の高いホームケアは必須です。
カリエスは?
カリエスに関しては「口腔清掃」よりもPhコントロールが予防には有効だと思います。
そして、できてしまったカリエスを進行させないようにできるのは、現段階ではフッ素しかないですよね。
それもc1までです。それ以降は処置が必要です。
カリエスにおいての、ハミガキでの効果は、侵食される際の酸性度を弱めたり侵食時間を短縮させることです。
一番の予防は、口腔内をなるべく酸性に傾けない飲食というのが事実に即した予防です。
「ハミガキ」は大事ですが、カリエスに関していうと、それよりもPhコントロールの方が重要です。
まとめ
今回は「48時間以内にハミガキをすれば大丈夫?」について
- 1.12時間ごと?48時間ごと?36時間?
- 結果
- 患者さんに伝えるには?
- カリエスは?
4点に分けてお伝えしました。
患者さんに説明する際に参考にしてください。