口から健康をプロデュースする歯科衛生士・歯科コンサルタント 壱原裕子のブログ

実は共感する事が大事ではなかった⁈共感せずに患者さんと良い関係を築く3つの方法

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壱原裕子 歯科衛生士歴18年、歯科コンサルタント、歯科カウンセラー、ライフスタイルコーディネーター。 一生、笑って、美味しく食べられる、健康寿命を延ばす!!をモットーに患者さんと歯科医院のお手伝いをしています。
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患者さんとなんだか上手くいってない。

こちらの言ってる事が伝わらない。

来院が途絶えてしまう。

歯科医院でよくみる光景です。

今回は共感する以外の方法3つをお伝えしていきます。

  • ただ聞く
  • 反応をみる
  • 価値観のフィルターを外す

患者さんの話を聞けているか?

簡単そうに見えて、なかなか難しいのです。

医師が患者と話をして,その身体や精神に何が 起こっているかを明らかにしようという行為は, いにしえより診療の基本となっている.かつて
「問診」と呼ばれていたこの行為は,今日では「医 療面接(medical interview)」と名を変え,単に診 断をつけるという医学的意義にとどまらない存在 となっている.

Basics of the medical interview and Objective Structured Clinical Examination (OSCE)

私たち医療関係者は往々にして、悩みを聞くと反射的に解決しようと頭が動きます。

患者「歯がものすごく痛いのです。夜も眠れません。温かいものも、冷たいものも痛くて、何も食べることができないのです。」

先生「この患者さんは激痛があり、冷、温痛もある。きっとこれは歯髄炎であろう。処置はこうしよう。」

などと、患者さんの話を聞き終わる前から考え始めます。

頭の中で考えているので、患者さんにそれ以外の情報をあまり聞かずに

先生「きっと歯髄炎ですね。神経が死にかけています。では処置しましょう。」

となります。

患者さんは痛いので先生の言う事を聞きますが、「話を聞いてもらってない」というモヤモヤとした気持ちが残ります。

1 患者さんの話をただ聞く

先ほども言いましたが、私達は医療職なので、

「問題を解決してやる、治してあげなければ。」

と前のめりになりがちです。

が、その前に患者さんの話をただ聞いてみましょう。

そして、それを相手に確認してみてください。

「歯がものすごく痛くて、夜も眠れないくらいいたいのですね?」

「冷たいものも、熱いものも痛くて、何も食べることができないのですね?」

患者さんはどんな反応をするでしょうか?

2 患者さんに反応をみているか?

患者さんが話して、先生がすぐに「処置しましょう」と言った時に一体どんな顔をしているでしょうか?

先生はカルテをみていたり、何かを書いていたりして、顔をみていないのではないでしょうか?

きっと曖昧に返事をするか、不服そうにしている姿を想像してしまいます(笑)

それとは別に、患者さんの症状を聞き返した時はどうでしょうか?

頭をぶんぶん縦に振ってないですか?

そうです。この時、信頼関係ができつつあるのです。

「この先生はわかってくれている。ちゃんと話を聞いてくれている」

そう思うのです。

患者さんがどんな反応をしているのかを観察しましょう。

共感する必要はあまりない

特に「それは大変でしたね」などの共感する部分はあまり必要ありません。

共感するよりも、事実を共有するほうが大事なのです。

人は無意識の内に自分の判断基準で判断しがちです。

そして、それ故、その共感が本当の意味で共感できているかは謎です。

初対面の人の心の中なんてわかりません(笑)

ただ、事実を共有することの方が大事で誠実ではないでしょうか?

3 自分の価値観のフィルターを外す

「きっと歯髄炎だから、抜髄しよう。」というのはすでに自分の価値観の中の答えです。

患者さんは実はそれを望んでいないかもしれません。

「神経は抜きたくない」

「今日はどうしても重要な仕事があるので、薬を出してほしい。」

聞いてみないとわからないので、自分の価値観ですぐに判断せずに、まずは相手に聞いてみましょう。

信頼関係は小さな積み重ね

日常の診療は本当にこの「ただ聞く」の繰り返しです。

それが信頼関係を構築していく為には必要です。

無理に共感する必要はありませんし、客観的にみてあげる事が医療者には必要なスキルだと思います。

まとめ

患者さんと信頼関係を築く一歩として、重要なのは

  • ただ聞く
  • 反応をみる
  • 価値観のフィルターを外す

以上になります。

みなさんも診療室で実践してみてください。

が、これが結構難しいです(笑)

もっと知りたい方はセミナーなどもご案内しますので、気軽にご連絡ください。

お待ちしております。

参考文献

Basics of the medical interview and Objective Structured Clinical Examination (OSCE)

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壱原裕子 歯科衛生士歴18年、歯科コンサルタント、歯科カウンセラー、ライフスタイルコーディネーター。 一生、笑って、美味しく食べられる、健康寿命を延ばす!!をモットーに患者さんと歯科医院のお手伝いをしています。
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