口から健康をプロデュースする歯科衛生士・歯科コンサルタント 壱原裕子のブログ

自費の初期治療を抵抗なく受け入れてもらうポイント6つ

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壱原裕子 歯科衛生士歴18年、歯科コンサルタント、歯科カウンセラー、ライフスタイルコーディネーター。 一生、笑って、美味しく食べられる、健康寿命を延ばす!!をモットーに患者さんと歯科医院のお手伝いをしています。
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歯科医師や歯科衛生士の方なら「自費治療」を勧めて、患者さんに受け入れてもらうことに日々努力されているのではないでしょうか?

でも、なかなか患者さんに受け入れてもらえない…

そんな方からのお悩みを多く聞きます。

今回は患者さんに「自費治療」をすんなり受け入れてもらうコツ6つ

  • 1.年代によって変わるアプローチ
  • 2.マズローの欲求5段階
  • 3.初期治療に入る前にお話しすること
  • 4.患者さんが求めているものを聞く
  • 5.「初期治療」の意味を理解しているか?
  • 6.ご自身の健康に無関心な方

をお伝えします。

1.患者さんの年代によってアプローチは変わる

価値観は年代によって様々です。

よく言われているのが

70代以降の価値観は『食べ物』

食べ物に苦労して育った世代なので、食べるために働いてきたのがこの世代です。

40代〜60代の価値観は『お金』

この世代になると食べ物に困る事はなくなり、次の価値としてお金を大切にしています。

バブル景気もこの世代です。

食べ物の心配よりも、お金の心配をするようになったのはこの世代です。

そして「正解」「みんなと同じ」が大好きなのもこの世代です。

20代〜30代の価値観は『存在』

この世代は「食べ物」にも「モノ」も溢れた世代です。

そして、「お金」を重要視する世代に育てられてきたので、「お金」に対する執着よりも、「存在」「自己実現」に重きを置く価値観にシフトしてきました。

「人とは違う」「個性」、「意味」を大事にするのがこの世代です。

2.マズローの欲求5段階

  1. 生理的欲求
  2. 安全の欲求
  3. 所属と愛の欲求
  4. 承認の欲求
  5. 自己実現の欲求

この欲求段階は1から順番にクリアしていくと、5に向かっていくという、人間性心理学の最も重要な生みの親とされている。マズローが考えた理論です。

この理論でいくと世代が進むにつれて、5に向かっていくのが分かると思います。

1-5番の優先順に並んだ欲求は、低いものから順番に現れ、その欲求がある程度満たされると、次の欲求が現れます。そして、どの階層の欲求に取り組んでいるかと、その人の健康度は比例します。

八木仁平公式サイト マズローの欲求5段階説をこの上なく丁寧に解説する。あなたの欲求はどのレベル?

これを頭に入れて話を聞くと、相手の要望を理解するのに役立ちます。

3.初期治療に入る前にお話しすること

まさか…とは思いますが…

検査してすぐにスケーリングしていませんか?

もしくは…すぐに治療。(応急処置の場合は除く)

まずはしっかり「歯科医院に来る意味」を患者さんに伝えなければいけません。

「歯科医院に来る意味」はただ痛みを取ったり、噛めるようにするための一時治療ではないということをあなたは伝えなければいけないのです。

検査データを元に「その患者さんに合わせた特別なプログラム」をプレゼンする必要があります。

「歯茎が腫れていますね、歯周病の治療が必要です」

これでは患者さんに本当に伝えたい「歯科に来る意味」を伝えられていません。

あなたの思う「歯科に来る意味」を分かりやすく簡単に年代に合わせて説明する必要があります。

LEARNのアプローチ
L 共感をもって患者の問題に対する認識を聴く
E 医師の認識を説明する
A 共通点と相違点を認識し、相談する
R 相談した結果できた⽅針を勧める
N 実施できるように患者と交渉する
→ 患者の思い、考えをふまえ、受け⽌めてもらえる内容を投げかけよう!
Berlin EA, Fowkes WC. The Western journal of medicine. 1983;139(6):934-8.

2011年9⽉7⽇ FMU-COMFAM TVカンファレンス

4.患者さんが求めているものを聞く

これだけモノに溢れて、歯科医院が乱立する中で、「あなたの治療」を受けにくる患者さんは「何を求めて」あなたの歯科医院に来ているのでしょうか?

「これまでと同じ「歯科医院」とは違うのでは?」

という可能性を心に秘めてあなたの歯科医院に来たのではないでしょうか?

それなのに…周りの歯科医院と同じアプローチをすれば、間違いなく失望します。

あなたはその患者さんにとっての本当の「歯科医院にくる意味」を伝えることができますか?

そして、「あなたの歯科医院に来る特別な意味」を患者さんにお伝えできるのでしょうか?

5.「初期治療」の意味を理解しているか?

歯科医院で「保険治療」と「自費治療」のダブルスタンダードを行っているクリニックが大半だと思います。

私もそのようなクリニックで勤務してきました。

が、私は大半の方の初期治療を「自費治療」で行っています。

そもそも「初期治療」で行うことをご自身でしっかり理解できているでしょうか?

TBIして、スケーリングして、再評価。

これも間違いではありませんが…

正解ではないと思っています。

初期治療はまず「歯科に来る意味」を患者さんに徹底的にお伝えする機会であり、根本的な原因を除去する目的があるのです。

患者さんに一方的に

「歯磨きしてください」

「定期的な受診が必要です」

と言っても聞いてはくれません。

その根拠が明示されていないのに、信念を持って通い続けてくれる、あなたの病院のファンになってくれる患者さんは少ないでしょう。

あなた自身が「歯科に来る本当の意味」を相手に伝えることができれば、それを年代別、人別に上手く組み立てて話せば良いだけです。

歯周基本治療とは、歯周疾患に対する治療の1つである。「初期治療」「イニシャルプレパレーション」などと呼ばれることもある。歯周疾患の原因を取り除き、可能な限り細菌などの感染源に侵されない口腔内環境を作りだす処置のことをいう。また、歯周外科手術に先立ち、手術のリスクを低くするために行われることもある。
急性症状の緩和、炎症の軽減、口腔内疾患の原因除去、歯周疾患の進行停止などが具体的な目的であり、そのためにプラークコントロールやSRP、PMTCや保存不可能な歯の抜歯、咬合調整などが行われる。
また歯周疾患は患者の生活習慣に関連するものが多いため、医療者が一方的に行うものではなく、ブラッシングや生活指導などは患者の協力や自発的行動によっても支えられるものである。

QuintDentalGate 歯周基本治療

6.ご自身の健康に無関心な方

行動変容の段階において「無関心期」という方はいます。

こういう方のほうが一度スイッチが入ると、急速に成長するのですが…

それを見極めるのには少しテクニックが必要です。

数をこなせば良いという訳ではありません。

患者さんの話をしっかり聞きましょう。

一番重要なのは相手が話をすようになるまでは、こちらから一方的に何かを押し付けてはいけません。

絶対に患者さんよりも「一生懸命」になってはいけません。

「無関心期」の方は保険治療でプールしておくのが良い方法とされてきました。

が、病院の方向性と照らし合わせた時に「本当に必要か?」というのも考えなければいけないポイントです。

まとめ

自費の初期治療を抵抗なく受け入れてもらうポイント6つは

  • 1.年代によって変わるアプローチ
  • 2.マズローの欲求5段階
  • 3.初期治療に入る前にお話しすること
  • 4.患者さんが求めているものを聞く
  • 5.「初期治療」の意味を理解しているか?
  • 6.ご自身の健康に無関心な方

です。

医院の売上も大事ですが、「患者さんのために良い治療を提供する」ということが一番のポイントになってくるとおもいます。

参考にしてください。

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