口から健康をプロデュースする歯科衛生士・歯科コンサルタント 壱原裕子のブログ

歯周病が重篤化する可能性は18歳~30歳くらいまでに決まっている?

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壱原裕子 歯科衛生士歴18年、歯科コンサルタント、歯科カウンセラー、ライフスタイルコーディネーター。 一生、笑って、美味しく食べられる、健康寿命を延ばす!!をモットーに患者さんと歯科医院のお手伝いをしています。
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今までは中年期以降に感染するとされていた歯周病原性菌ですが…

最近の研究で、18歳くらいに感染するというのが分かってきました。

今回は

  • 1.歯周病の原因
  • 2.歯周病のマイクロビオーム
  • 3.18歳~30歳で歯周病のマイクロビオームが完成する
  • 4.いつから予防するのか?

の4点に絞ってお伝えします。

1.歯周病の原因

1975年ごろ 歯周病の原因菌は10種類の歯周病原性菌と考えられていました。

この10種類の菌が重度の歯周病患者の口腔内から高頻度で検出された為、これらの菌が歯周病に関係していると考えられてきました。

 ポルフィロモナスジンジバリスクリン(PGI)、トレポネーマ・デンティコラ(TD)、タンネレラのレンギョウ(TF)、Capnocytophagaのochracea(株)、Capnocytophaga sputigena(CS)、プレボテラインターメディア(PI)、プレボテラnigrescens(PN)Campylobacter rectus(Cr)、Aggregatibacter actinomycetemcomitans(Aa)、Eikenella corrodens(Ec)

今考えられている歯周病の原因菌はレッドコンプレックス。

P.gingivalis、T.forsytia、T.denticola

参考文献①

この論文では、レッドコンプレックスを頂点とした歯周病の細菌叢が、ピラミットの階層のようにして、口腔内に存在しているということが書かれています。

ながやまデンタルクリニック 歯周病を引き起こす細菌について

2.歯周病のマイクロビオーム

「マイクロビオーム」「ヒトマイクロバイオーム」というのを聞いたことがありますか?

ヒトマイクロバイオーム(英:human microbiome)は、ヒトの細菌叢(微生物叢)である。腸内細菌叢には、ヒトの細胞数に近い約40兆個の細菌が存在し皮膚英語版)、口腔、鼻腔、膣などにも微生物が存在している[1]

2010年に欧州の研究者によって、ヒトの消化器に1000種以上、330万個の微生物の遺伝子の数があることが判明し、これはヒトゲノムの遺伝子2万5千の約150倍として注目を受けた[2]。人類のDNAは99.9%が同じだが、ヒトマイクロバイオームでは構成が同じ人はいない[2]

Wikipedia ヒトマイクロバイオーム

さきほどのピラミットになっていた細菌叢が「歯周病の構成細菌叢」

「歯周病に関するマイクロビオーム」です。

谷口歯科医院・口腔常在微生物叢解析センター・クリニカルメタゲノミクスセンター
細菌叢・マイクロバイオームとは

3.18歳~30歳で歯周病のマイクロビオームが完成する

現在は高感度細菌DNA検査ができるようになったので、18歳以降の健康な口腔内にもP.gingivalisがみつかるようになりました。

18歳以下の口腔内で感染している数はかなりの少数。(感染している人は稀)

一般に歯周病菌の感染は中学生の頃からはじまり、P.gingivalisは18歳以降に多くの人が感染します。

参考文献②

この理由はまだ解明されていないようですが、成長が終わり、歯周組織が安定していないとP.gingivalisは定着できないのではないか?と言われています。

さきほどのピラミットの下層の歯周病原性菌から順番に感染していきます。

ここで面白いのが、下の層が完成していないと上には積みあがっていかないということです。

そして、30歳前後でこのマイクロビオームの細菌叢の内容が決まると現在は考えられています。

ということは…30歳までにP.gingivalisに感染しなかった人は、歯周病が重篤化しにくい?ということではないでしょうか?

一般的に言って、唾液から感染するので、絶対に阻止するのは難しいと思いますが…定着しなければ…と願ってしまいます。

「感染したからと言って、発症するかどうかはまた別の話」

というのは歯科関係者の方はお分かりかと思います。

4.いつから予防するのか?

もうお分かりかと思いますが、私達は生まれた瞬間から口腔内の細菌の定着は始まります。

そして、身体の成長とともに、細菌叢とも共生しながら一緒に種類や量を増やしたり、減らしたりしながら、一緒に成長します。

生まれた瞬間から「予防」はしないといけません。

が、「歯周病」に関して敏感に予防を意識していかなかればいけないのは、中学生以降~30歳までだと思います。

もちろん、それ以降の感染が定着してしまった場合には「共生関係」が崩れないようにする「予防」が大事になってきます。

が、まずはP.gingivalisに感染しないようにしていくのが一番の予防だと思います。

中学生~はなかなか歯科医院に来なくなる時期ですが、将来の歯周病が重篤化するリスクを減らせるのはこの時期なのです。

診療室でぜひ、お話ししてみてください。

まとめ

今回は「歯周病が重篤化する可能性は18歳~30歳くらいまでに決まっている?」について

  • 1.歯周病の原因
  • 2.歯周病のマイクロビオーム
  • 3.18歳~30歳で歯周病のマイクロビオームが完成する
  • 4.いつから予防するのか?

の4点についてお伝えしました。

原文の論文を読むとより理解が深まると思います。

でも、論文を読むと新しい「謎」が出てくるので、勉強は終わりがないです…。

マイクロビオームに関しての面白い論文があったら、ぜひ教えてください。

参考文献

Ecological Considerations in the Treatment of Actinobacillus Actinomycetemcomitans and Porphyromonas Gingivalis Periodontal Infections periodontol 2000 20 341-362 1999

Distribution of 10 Periodontal Bacteria in Saliva Samples From Japanese Children and Their Mothers Kiyoko Tamura Arch Oral Bio 2006 May;51(5):371-7

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